初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ



アメリカンフットボール(NFL)ブーム その2

「リルプロ」

*関連トピック:グルービーケース アメリカンフットボールブーム その1




 70年代なかばに小中学生の間で巻き起こったNFL(ナショナル・フット ボール・リーグ)ブームについてはココで書きましたが、このブームの象徴ともいえるのが公式キャラクターの「リルプロ」。「リルプロ」は「li'l pro」、つまり「ちびっ子だけどプロだぞ」みたいな意味合いだと思います。

 現在、webで「リルプロ」を検索してみ ても、詳細な情報はまったく出てきません。国内のサイトはもちろん、米国のサイトでもこのキャラに関するページはほとんど見あたらないようです。本国でも すっかり忘れられているらしいのはサミシイ限りですが、70年代のNFLブームを体験している人なら、当時の「リルプロ」人気はしっかり覚えているはず。

 日本で「リルプロ」グッズを手かげていたのは、玩具業界では主にツクダオリジナル。各チームのユニフォームを身に着けたボビンヘッド(首ふり人形)や、カバンなどにつけるソフビ製のマスコットなど、さまざまなタイプのフィギュアが販売されていました。
  また、文具市場でも「リルプロ」は大人気で、下敷き、ファイル、グルービーケス、筆箱などにもなっています。アパレル関連の商品も多数販売され、トレーナー やスニーカーなども「リルプロ」に飾られていましたね。運動靴に関しては、確か月星が「リルプロシューズ」というシリーズを売っていたと思います。

  二頭身で大きなヘルメット(基本バージョンは個々のチームのものではなく、NFLロゴ入りのヘルメットでした)をかぶり、くるくるのカーリーヘアにそばか す顔。いかにもアメリカンな感じがして、
かわいいんだけど、国内の各種キャラよりもちょっぴり大人っぽくて、男の子にも女の子にもマッチする本当に秀逸な デザインのキャラクターだったと思います。
 一説によると、1995年にNFL公式トレードマークとしての登録が失効されたようなのですが、実際 には80年代以降はほとんど見かけなくなっていたと思います。リーグのトレードマークとしてちゃんと使われていたのは、70年なかばからの数年間だけだっ たのではないでしょうか?

 それにしても、大量のグッズがヒットしていたわりに、web上の「リルプロ」情報があまりに少なすぎる……と 考えていたら、そういえば、このキャラの名前が「リルプロ」であることを知らない人が当時もけっこういたなぁ、と思いあたりました。「アメフト坊や」とか呼 ばれることも多かったし、実は僕も「なんだっけ、あの、NFLの頭でっかちのガキは……?」としばらく悩んでから思い出しました。
 webに情報が少ないのも、単に名前を記憶している人が少ないだけで、今もあのキュートなそばかす顔は多くの人が覚えているのかも知れませんね。

(2015.1.28)

ツクダオリジナルの「リルプロ」マスコット。とあるレトロショップで発見したデッドストック。NFLの全チームのバージョンが販売されていたそうですが、なぜか当時一番人気の「ドルフィンズ」バージョンの在庫が大量に残っていました


「リルプロ」とは関係ないんですが、こちらも当時の人気商 品。ツクダオリジナルのNFLヨーヨーです。個人的にはすごく懐かしい一品で、僕はビッツバーグ・スティーラーズのバージョンを持っていました。これも デッドストックなんですが、当時から一番人気のない(マークのデザインがもっともつまらない!)「ダラス・カウボーイ」だけが売れ残っていました






初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ



アクセス解析

inserted by FC2 system