初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ



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初見健一
はつみ けんいち

1967年、東京都渋谷区生まれ。出版社勤務を経てフリーライターに。
主に1960〜1970年代のキッズカルチャーについての話題など、レトロな戯れ言をネタに活動中。
主な著書は下記リスト参照。

現在連載中
・東京新聞、中日新聞サンデー版「初見健一のこれなんだっけ?」
・学研『月刊ムー』、公式サイト『ムーPLUS』「昭和こどもオカルト回顧録」
・共同通信KyodoWeekly「おこちゃまレトロ文化アーカイブ」

関連web pages
株式会社大空出版「まだある。昭和ナビ」
Amazon 初見健一 著書リスト





works 著書紹介

単行本
昭新こどもゴールデン映画劇場
(大空出版)
¥1620 2019年5月刊行

『昭 和こども図書館』のノリで映画を語ったらどうなるか?……というのをやってみた一冊。児童文学をネタに懐かしエッセイを綴る『昭和こども図書館』もムズカ シかったんですが、これはさらに難産でした(締切をズラしまくって予定より半年も遅れて刊行……)。小学生時代から昭和の時代の終わりあたりまで、親と ロードショー館で観た作品はもちろん、名画座やアートシアター、さらに『日曜洋画劇場』や『2時のロードショー』など、テレビで観たものも含めて記憶に残 る作品(例によって「つまらなかった」「大嫌いだった」という意味で記憶に残る作品も含む)を80作ほどセレクトしています。この掲載作品リストがなかな か決まらず七転八倒しました! 削ったり足したり、やっぱり泣く泣く削ったり……をひたすら繰り返して、なんとか規定ページ数に合わせて80作を選びまし た。映画史的にはかなりメチャメチャなセレクトですが、自分の記憶と印象に忠実にやってみた結果です。
言うまでもなく、この本も僕の視点は『まだ ある。』などと同じです。当時のガキ目線で駄菓子や駄玩具を語るように、映画と、それを観た自分の周囲に漂う時代の空気を語りました。間違っても「映画批 評」として手に取らないように……。完成したものを改めて再読してみると、これは80年代の空気についての本であり、さらには「80年代の青春」について の本に(期せずして)なってるなぁ……と思います。
単行本
昭新・まだある大百科 昭和のロングセラー図鑑
(大空出版)
¥1728 2018年2月刊行

2008年に刊行した『まだある。大百科』を10年ぶりに改訂しました!
この10年間でほとんどすべての商品はパッケージデザインが変更され、消えてしまったものも多数。それらに対応する更新作業をしつつ、やっぱりこの10年はロングセラー商品にとって「激動の時代」だったんだなぁ…と再認識。
あらたなロングセラーやコラムを追加収録し、初版と同様「無駄に分厚い!」が特徴の昭和のお菓子の大百科になっております。
単行本
昭和こども図書館 今でも読める思い出の児童書ガイド
(大空出版)
¥1620 2017年7月刊行

 去 年から「出る、出る」と言い続けていながら、執筆が遅れに遅れていた新作がやっと出ました! 70〜80年代初頭にかけて学校図書館や教室の学級文庫に あったアレコレの児童書、および当時の小中学生がこぞって読んだサブカル系のホビー入門やオカルト本100点以上をエッセイ風に解説したブックガイドで す。独断と偏見と偏愛に満ちたセレクトではありますが、「良書」も「悪書」も満載。名作から忘れ去られてしまった単なる「燃えるゴミ」まで、「胸いっぱい の愛」、もしくは子ども時代に鬱積させた「積年の恨み」をもってアツく語っております!

 本書はとにかく執筆が難航してしまって、今まで 書いた本のなかでは一番書いていてキツかったというか、楽しくなかった……。楽しそうだと思って自分で企画したにもかかわらず、です。というのは、やっぱ り子どものころに読んだ本について書くということは、レトロとか懐かしさとかいったこととは別の次元に降りていかなきゃならないんだなぁ、と痛感したわけ です。言いたくないことも言わなきゃならないし、言っちゃいけないことにも触れなきゃならない。書いていてイライラすること、存在しない相手に対して腹が 立つような、そんなコトが多かったです。
当時の児童文学について考えれば、戦後民主主義が暴走していたあのころと、うってかわった「今」との対比を、どうしてもせざるを得ない。そのどちらにも「不快」を感じる身としては、いかんともしがたく、そこの折り合いは最後までつけられませんでした。ですから
非常に「鬱」な内容なんですけど……そのあたりは読者には見えにくいようで、「普通に楽しかった」というスタンスで読んでくれた人も多くてホッとしております。
混乱しながらも、できることはやったつもりです。「児童文学の専門家」でも「書評家」でもなく、「普通の子ども」がただ言いたい放題に本を語るような内容……という当初の企画コンセプトは実現できたと思っます。
僕にとってこの本は、非常にできのわるい暗号、もしくは不完全な呪文のようなものだと思っています。この本によって、僕はたぶん存在しない誰かを探そうとしているのだと思います……
単行本
ボクたちの駄!菓子
(オークラ出版)
¥1512 2017年9月刊行

「若 い世代向けの昭和駄菓子本を」との依頼を受け、本文原稿と商品セレクトの監修などを担当しました。全体的にガーリーなイメージの本で、僕の文章もいつもよ りヘラヘラしておりますが、敗戦直後からの戦後東京駄菓子の歴史をそれなりにちゃんと書いたのは今回が初めてのような気がします……。現存するリアル駄菓 子屋の紹介(これはけっこうセレクトが秀逸)など、「昭和駄菓子入門者」(そんなヤツがいるのだだろうか?)にぜひ。
単行本
昭和のレトロパッケージ
(グラフィック社)
¥1512 2016年1月刊行

  お菓子から文具、雑貨まで、昭和のポップなパッケージの数々を、「デザイン」にスポットをあてつつ見せてゆくビジュアル本。編集部から企画のお話をいただ い て、僕は本文原稿の執筆と商品セレクトのアドバイスのみをやっています。思えば自分で発案していない企画で単行本をつくるのはこれが初めて。自分では取材 せずに原稿のみを書く、というのもこれが初めてでした。なんとなく不思議な体験で、そういう意味では新鮮でしたが、これはこれで作業的に難しい部分があり ますね。
文庫
昭和ちびっこ怪奇画報
ぼくらの知らない世界1960s-70s
(青幻舎)
¥1296 2014年7月刊行

  「恐怖の3ヶ月連続リリース」の第二弾は、『昭和ちびっこ未来画報』の姉妹本、僕が個人的に長らく「こんな本を出してみたい!」と思っていた昭和怪奇画 集、『昭和ちびっこ怪奇画報』です。未来と怪奇……これが二つ揃って、ようやく僕にとっての「70年代お子ちゃまサブカル」が完成した感じです。

  主に60年代後半から70年代前半にかけて、少年マンガ誌、学習誌、そして各種怪奇系児童書に掲載された子ども向け怪奇画をドドドッと掲載いたしました。 『未来画報』同様、主なイラストレーターは小松崎茂、石原豪人などなど錚々たる巨匠揃いですが、今回の主役はやはり南村喬之先生。ジメッと湿度の高いタッ チの精密なペン画が満載です。心霊や妖怪はもちろん、阿鼻叫喚の地獄、妄想的な秘境・魔境、血みどろの修羅場、恐るべき人食い人種、 説明不能な狂気の世界まで、昭和元禄のエネルギッシュな「見世物」をご堪能いただければと思います。
 『未来画報』は僕にとって少々センチメンタ ルというか、「失われた21世紀」に関するノスタルジアをたっぷり楽しんでもらえるようにつくったつもりですが、この『怪奇画報』はもっとトゲトゲした気 分、もっと攻撃的な気持ちで収録作品をセレクトし、原稿を書きました。なにかこう、無性にイライラしながら「今」という時代に対する嫌味を思いっきり詰め 込んで、「これでもくらえ!」という感じで全力投球してます(笑)。ぜひぜひ『未来画報』と合わせてお楽しみいただければと思います。
 ただ、嫌味たっぷりの原稿をすべて書きあげて入稿した後の2014年7月1日、例の閣議決定によって、まだ上梓する前にもかかわらず、その内容が一瞬にして「古くなってしまった」……という感慨があります。
 僕にとって、この本は失われつつある「自由!」の奪還宣言でしたが、それはもっともっと強行に、野蛮に、暴力的に行われなければならなかったのかも知れません……と思ったりもします。
単行本
70年代 小学生歳時記
ぼくらの年中行事 春・夏・秋・冬
(ダイヤモンド社)
¥1404 2014年6月刊行

  「恐怖の3ヶ月連続リリース」の第一弾は、70年代の小学生の暮らしを、「四季」の学校行事、家庭行事を軸に綴ったエッセイ集です。一般論ではなく、思 いっきり個人の思い出にフォーカスして書いたので、「70年代版小学生日記」のような形式になっております。構造としては、春ではじまり次の年の新しい春 で終わる形で一年間の暮らしを記録していますが、同時に、小学校入学の春ではじまり、卒業の春で終わるように、小学生時代の6年間の思い出を綴るスタイル にもなっています。
 例によって、キュートな表紙のわりに内容はネガティブで、子ども時代のアレコレについて、「あれがイヤだった」「あれがキラ イだった」というボヤキが延々と続くわけですが、これはまぁ、「あのころはよかった!」的な美化をしない昭和個人史あることと、あくまで子ども目線にも どって当時の「ホンネ」を綴ることを心がけたため……とご理解くださいませ。
 基本、モノクロの文字中心のエッセイですが巻頭カラー4p、そして 本文内にもできるだけフンダンに当時物のグッズの写真を掲載するように編集しています。個人的には、ミドリさんの「グルービーケース」画像を掲載できたこ とがうれしかったのですが、僕ら世代がもっと親しんだNFLデザインの商品写真は、ミドリさんでも保管されていないそう……。定番のデニムタイプを掲載し ました。
 編集は今回が初めてのおつきあいとなるダイヤモンド社、地球の歩き方編集部の斎藤真史氏、渾身の「小学館学年誌オマージュ」なイラストはアトリエ・プランの滝澤しのぶさん、デザインを担当しくださったのは『未来画報』でもお世話になった坂本陽一氏です。
 1970 年代の小学生たちは、日々、どんなことをして遊んでいたのか?……をテーマに書いた本です。基本的には実際に僕自身がさんざん楽しみまっくた遊びを取り上 げ、ルールや楽しみ方のコツ、また、当時の子どもたちがどんな気分でその遊びに取り組んでいたか、さらにその遊びの最中に起こりがちな「諍い」……などな どをエッセイ風に書いています。取り上げる遊びは130種以上。
 どろけい、缶蹴り、だるまさんがころんだなど、みんなで楽しむ王道の外遊びも収 録されていますが、教室で楽しむちょっとした遊び(ウルトラジャンケン、いっせのせ、魚鳥木など)や、女子たちがコソコソやっていた占い(アキストゼネコ など)、言葉の遊び(ハッピーアイスクリーム、10回クイズなど)みたいな、記憶から抜け落ちてしまいがちな地味なものをなるべく多く取り上げてみまし た。
 ちなみに、クオリティの低い挿絵は僕自身の作です。スミマセン。
文庫
ぼくらのオカルト大百科 70年代オカルトブーム再考
(大空ポケット文庫文庫)
¥630 2012年11月刊行
   ずーっと前から書いてみたかったオカルト本がようやく形になりました。もともとは子ども時代に読みあさった「怪奇系児童書」のような本をつくりたい、と 思っていたんですが、このジャンルでまずやっておかなきゃと考えたのは、70年代オカルトブームならではの異様な空気感を、それを知らない世代に伝えるこ と。というわけで、「再考」を目的とした本になりました。
 ある若い編集者と当時のオカルトブームの話をしているときに、「本当にそんなオカルト ネタだらけの時代があったんですか? それって初見さんの周辺だけじゃないんですか?」と目を丸くされて、それで「あ!」と気づいたんです。サブカルの ジャンルのなかで、今と当時の扱われ方の差異がもっとも大きいのがオカルト系のトピックなんだな、と。特に95年以降、巷のオカルト観はガラリと変わって しまい、大衆的エンターテイメントから「今まで野放しにされていた“社会悪”」のように見られることが多くなりました。
このあたり、たぶん若い世代には、いくら口で「オカルトは当時のメインコンテンツだったんだよ!」と説明しても、体感としては理解不能だと思います。
 そこをなんとか、当時の空気まるごと伝えられないかと考えて、「ノストラダムス」「UMA」「超能力」「UFO」「心霊」とベタなネタの起源、ブーム勃発のプロセス、ブーム時の“オカルト少年少女”たちの動向などなどを「再考」してみました。 ……「怪奇」を我らに!
文庫
昭和ちびっこ未来画報 ぼくらの21世紀
(青幻舎ビジュアル文庫)
¥1260 2012年1月刊行

 1950 年代から70年代の終わりまで、多くの児童向け雑誌、科学読み物などでは、「21世紀はこうなる!」をテーマにした「未来予想図」は定番のコンテンツでし た。もしも今、「ぼくら」世代に「未来に裏切られた」という想いがあるとしたら、それは間違いなく荒唐無稽で自由奔放で非現実的で無責任な「未来予想図」 と、それに類するものによって培われた未来観のせいだと思います。
 本書には、小松崎茂、伊藤展安、石原豪人などなど、僕ら世代(というより、本 来はぼくらよりひとまわり上の世代)にはおなじみの“トラウマ画家”による昭和の「未来予想図」をギッシリ収録しました。同時に、この「未来」の「感 じ」ってなんなのか? その「感じ」が、なぜ現実の21世紀が近づくにつれて希薄になり、今となってはウソのように消えてしまったのか? を、2011年 のまるまる1年を費やしまして、自律神経を失調するほど集中しながら考察してみました(笑)。
 「素晴らしい21世紀」から「地球滅亡」の地獄絵図まで、僕らに夢と希望と絶望とトラウマを与え続けた昭和の「未来」を再訪してください。訪れなかった「幻の21世紀」へようこそ!

↓以降、『まだある。』シリーズは第一作から刊行順に並んでいます。下へいくほど発行年が新しくなります。
文庫

 1960〜70年代に発売された「今でも買えるロングセラー商品」をカラー写真とエッセイで100点紹介する……というのが文庫『まだある。』シリーズのコンセプト。この「食品編」がシリーズ第1弾。
 「アラビヤン焼そば」や「オリエンタルカレー」、「ぽんぽこたぬきのおまんじゅう」などなど、幼児期〜少年期の記憶に刻まれた現存商品はすべてフォローしたつもり。思いっきり個人的なセレクトになっちゃいましたが。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ文具・学校編 (大空ポケット文庫)
¥767 2005年12月刊行

 スーパーカー消しゴムを飛ばしまくった「BOXYボールペン」、ゾウが踏んでも壊れない「アーム筆入」、女の子 の定番アイテムだった「匂い玉」、先生から「禁止令」が出された「ねり消し」、お小遣いでは買えなかった憧れの「シャーボ」などなど、「教室まわり」のロ ングセラー商品を紹介するシリーズ第2弾。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ生活雑貨編(大空ポケット文庫)
¥767 2006年4月刊行

 「ロゼッタ洗顔パスタ」や「マダムジュジュ」、「エチケットブラシ」に「レモン石けん」、「丹頂チック」やら「ハクキンカイロ」などなど、昭和の家庭、および商店街の「よろず屋さん」「金物屋さん」でよく目にした印象的な定番商品を掲載。
 「昭和の暮らし」の細部と「あの頃の季節感」が生々しく出ていて、個人的にはシリーズ中で本書が一番好きなんだけど……「ヘンなモノが多すぎる」と周囲には不評(笑)。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ駄菓子編(大空ポケット文庫)
¥767 2006年8月刊行

 「食品編」では「収拾がつかなくなりそうだから」という理由で除外していた駄菓子類に挑戦。
 これまた「うわっ! 30年前のまんまだ!」という状況に驚かされつつも、作り手の方々の「高齢化」、さらに「跡継ぎ不在」の問題をあちこちで聞かされて、「う〜む」と深刻な気分になってしまいました。
 70年代の定番だった「甘納豆クジ」がこの世から消えてしまっていたことが最大のショック。これもやはり「高齢化」と「跡継ぎ不在」による消失。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ玩具編(大空ポケット文庫)
¥767 2006年12月 

 これこそ収集がつかなかった1冊。とにかくオモチャ大好き少年だったので、なにをどうセレクトしていいかわからなくなるほど混乱しました。結果、メジャー玩具から駄玩具まで、執着のあるモノはすべてフォローしてはいるんだけど、ちょっとバランスが変な感じ。
 あと、やっぱり女の子向けの思いっきりGirlyなモノをもっと入れたかったなぁ。このあたり、もう少し整理して、別のカタチで再挑戦したいなと思ってます。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログおやつ編(大空ポケット文庫)
¥767 2007年3月刊行

 「食品編」は「このメーカーのこれ!」という観点でセレクトしたけど、本書は特定のメーカーに限定されない定番 お菓子類を中心にセレクト。つまり甘食、ホットケーキ、マドレーヌ、動物ビスケット、チョココロネ、ペロペロキャンディー、ウイスキーボンボン、ゼリー ビーンズなどなど。
 いろんなメーカーが同じような商品を出しているけど、その中から「理想のカタチ」をチョイスするのが難しかった。たとえば僕らの時代、マドレーヌは円形だったけど、現行品の多くはおフランスな貝殻型だったりして……。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログキャラクター編(大空ポケット文庫)
¥767 2007年8月刊行

 「著作権」なるものの本当の「恐ろしさ」を痛感させられた1冊。軽い気持ちで企画したけど、とにかくメーカーのガードが堅くて取材がめちゃめちゃ難航(笑)。やっぱりキャラとかマークって企業にとっては「聖域」なんだなぁ、と思い知らされました。
 が、それでも各社の広報さんに多大なご協力をいただいて、幼児期に脳味噌に刷り込まれたキャたちをなんとか網羅。

文庫
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ食品編その2(大空ポケット文庫)
¥767 2007年12月刊行

 「食品編」で取りこぼしたもののなかから、「これは入れたかったなぁ」という「心残り系」商品を再セレクト。
 メジャーなものから「知らねーよ」と言われがちなマイナー商品、東京限定商品まで、かなり混沌としたラインナップになってるけど、関東地方で生まれ育った人なら「ああ、自分はこんなものを食べて大人になったんだなぁ」という不思議な感慨が抱けるはず(笑)。

単行本
まだある。大百科 お菓子編―今でも買える昭和のロングセラー図鑑
¥1260 2008年11月刊行

 文庫『まだある。』シリーズでできなかったのが、「昔のパッケージ」画像やデザインの変遷の紹介、それから印象的なCM画像などの掲載。また、取材で得た数々の「へぇ〜」っていうエピソードも、ページの関係上、どうしてもカットせざるを得ない場合も多かったんですね。
 というわけで、それらの周辺情報をまるごと収録した百科事典的な本を、と企画されたのが本書。
 「あのころのパッケージ」や「あのころのCM」などの懐かし画像、消えてしまった姉妹品、開発にまつわるマル秘エピソードなど、とにかく入れたいものは全部詰めこんだ感じ。で、予想外の400ページ越え。
 この種の本としては異例のブ厚さに加え、1200円という著者泣かせのウルトラ低価格も暴挙だと思います。

単行本
まだある。遊園地編 今でもわくわく“懐かしの昭和”カタログ
¥1200 2009年6月刊行

 『まだある。』シリーズ単行本版の第2弾。東京近郊の老舗遊園地を取材し、僕ら世代が子ども時代に親しんだグッ ド・オールド・アトラクションをピックアップ。飛行塔、鏡の迷路、ビックリハウスなどなど、首都圏の遊園地から消えつつあるモノを歴史とともに紹介してい ます。巻末には各老舗遊園地の移り変わりを懐かし画像とともに解説。また、いわゆる“のりもの”以外にも、非デジタルのゲームたち、つまりエレメカ類も多 数扱ってます。
 初のロケ取材モノでかな〜り手間取りました。本当にひさしぶりに非テーマパークの“正しい遊園地”に足を運んで感じたのは、その圧倒的なユルさ。これはいい意味でも、悪い意味でも。
 少なくとも、完全無欠の“設定”が園の隅々まで支配しているテーマパークって、やっぱりそうとうに“気持ち悪い”んだなぁ、と思いました。「この遊具、ここにおいとくから勝手に遊んでね」的なノリで、今の子たちがOKなのかどうかはわからないけど。

単行本
まだある。今でも買える“懐かしの昭和”カタログ 食品編 増補改訂版
¥1050 2009年11月刊行

 文庫『まだある。 食品編』からすでに4年が経過しましたので、その間に絶滅してしまった商品、リニューアルさ れた商品、新たに復刻された商品などなどをリサーチして、データを全面的に刷新しました。また、エッセイ部分もいろいろと気に入らないところがあったりし たので、あちこちを手入れしました。
 目玉は、巻頭口絵と巻末に掲載し た「もうない。」コーナー。個人的にずーっと記憶のなかにいすわりつづけている絶滅商品のあれこれを紹介しています。明治製菓の錠剤ジュース「プクプク」 とか、明星「ちびろく」など、パッケージ画像を再び目にできただけで「うれしーっ」となっちゃう商品を集めたつもりなんですが……どの程度共感を得られる かは不安。

単行本
\1200 2010年6月刊行

 従来の『まだある。』シリーズとは一線を画した「こども歳時記」という新シリーズの第1弾です。モノの紹介や解 説に特化するのではなく、60〜70年代の子どもたちの「くらし」と、彼らが子どもなりに感じていた「季節感」を軸にしたエッセイを中心に、そこに登場す るさまざまなモノにスポットをあててみる……という構成。
 第1弾は「夏休み編」。タイトル通り、夏休みのはじまりから、切なくて死にそうになる9月1日の始業式までのあれこれの記憶をつづりました。
 本当はもっとキラキラした楽しげな夏休みを紙上に再現するはずだったんですが、書いてみると、なぜか「○○が嫌だった」「○○が恐かった」みたいなネガ ティブな記憶がズラズラと出てきちゃって、なんか微妙にサイコな内容になっています。でも、なんか、こういう感じでした、「ぼくの夏休み」は。ま、わかり やすいウソを書くよりはいいかなと。個人的にはシリーズのなかで一番気に入っているんですけども……。
 まずは、裏表紙にまで凝りまくった表紙カバーをチェックしてみてください。カバーをはがした中身の表紙も地味にカワイイんです。

       
文庫
2011年 改訂 文庫版
\767 2011年6月刊行

 2009年に出した『遊園地編』を文庫化。遊園地の世界はお菓子などに劣らずモノの入れ替わりが激しくて、アレ コレを入れ替えたり追加したりするとともに、アチコチを手直しいたしました。直前に某園の某アトラクションで事故が起こったりして、校了するまでヒヤヒ ヤ。単行本版には入っていなかった大宮公園児童スポーツランドの正しきレトロぶりに注目です。
       
文庫
2012年 改訂版
\767 2012年5月刊行

 2006年に出した『駄菓子編』を改訂。6年の間に消えてしまった商品、リニューアルした商品などを再リサーチして データをアップデートするとともに、初版で入れられなかったロングセラー駄菓子を追加しました。やっぱり6年間って長いですね。市場はだいぶ様変わりし て、けっこうな大モノも姿を消しちゃいました。個人的にびっくりしたのは、初版の表紙にも掲載されてたタイトーのオレンジラムネの絶滅。あと、幼児のころ に大好きだったマルタの「チョコ歯ブラシ」……。ああ、買いだめしとけばよかった。その代わり、前から取り上げたかった玩具菓子の老舗、チーリンの商品を アレコレ追加したりしています。
駄菓子編改訂版
文庫
2013年 改訂版
\767 2013年2月刊行

 2005年に出したシリーズ第一弾『食品編』を改訂。ややこしいことに09年に単行本の「増補改訂版」を出しています が、それをさらに改訂して文庫にしました。今回のテーマは今までわりと無視してきた「女児菓子」にスポットを当てること、なかでも70年代後半から80年 台初頭のファンシー感に着目しました。
文庫
2013年 改訂版
\767 2013年5月行

2006年に出した『生活雑貨編』を改訂。絶滅してしまった商品と激しいパッケージ変更に対応してデータをアップデーし ました。個人的には白元の「オーダーL」(トイレにぶら下げる手のひら大のボール型芳香剤)など、伝統ある商品が消滅してしまったのがショックなんですけ ど、その分、初版で入れられなかった印象的な長寿商品をブチ込みました。「ペリカンポリ袋」と「ステー付き花瓶」にご注目ください!
文庫
2013年 改訂版
\767 2013年7月刊行

 2005年に出したシリーズ第二弾『文具・学校編』を改訂。文具の世界もやはりアレコレ激しくニューアルされており、 個人的に学童用水彩絵の具の世界から金属チューブが完全に絶滅しちゃった……っていうのが非常に悔やまれます。今回の改訂では老舗のコクヨの超ロングセ ラーを多く入れました。ペン軸の中央をポキポキと折ることによって芯が出るシャープペン「ミストラル」の80年代感、ムーンスターの上履き「ジェットラ ン」の60年代感にご注目ください!
    
文庫
2014年 改訂版
\767 2014年8月刊行

 2006年に発行した「玩具編」の改訂版です。商品の絶滅頻度は「まだある。」シリーズのなかでも玩具がもっとも高く、この9年間で3割く らいが終売。デザインや仕様変更した商品も大量にあって、初版の内容とはだいぶ変わっています。「懐かしいものがどんどん消えていく…」ということが実感 できる改訂作業でした。
     

2016年 改訂版
\767 2016年6月刊行

 2007 年に刊行された『まだある。キャラクター編』を約10年ぶりに改定しました。さすがに10年たってしまうと消えてしまったキャラ、完全にリニューアルされ てしまったキャラが続出していて、内容はかなり様変わりしています。個人的に衝撃だったのは「ヤン坊、マー坊」が実質的に消えてしまったこと(大幅リ ニューアルで別人に)。が、アスターちゃん、マスプロアンテナの鬼姉弟、日ペンの美子ちゃんなどの強力なメンツを新たに掲載しています。
           
2020年 改訂版
\803 2020年7月刊行


『まだある。おやつ編 改訂版』
2007 年に刊行した「おやつ編」を13年ぶりに改訂しました。例によって絶滅商品多数、会社がごと消滅してしまったモノもたくさんあって、ここ10年の市場の変 化に改めて驚かされます。おまけにコロナ禍での取材だったのでテレワーク中の各社の広報さんとなかなか連絡がつかなかったりして、作業は非常に難航……。 ですが、アレコレとロングセラーお菓子を新たに発掘し、なんとかいつもの感じにまとまりました。80年代初頭発売の商品が充実して、ファンシーな雰囲気の ラインナップになっております。
           

『まだある。日本のロングセラーカレンダー2019』食品編&雑貨編(大空出版)
懐かしの昭和ロングセラーの思い出を綴った文庫エッセイシリーズ『まだある。』が卓上カレンダーになりました。月ごとに季節に合わせた昭和のロングセラー商品が登場、商品史やトリビア情報がまとめられています。食品編、雑貨編の2種で発売されます。




新聞・雑誌連載など
東京新聞・中日新聞サンデー版連載コラム
『初見健一の これなんだっけ?』
2020年6月から東京新聞・中日新聞サンデー版にてスタートしたミニコラム。毎回、お菓子や玩具、文具、雑貨などなど、懐かしの昭和モノをひとつ取りあげてちょこっと解説しています。日曜の朝らしい「のんびり感」をぜひ楽しんでください。
月刊『ムー』&公式サイト『ムーPLUS』連載
『昭和こどもオカルト回顧録』

70年代のオカルトブームのアレコレを当時の「子ども目線」で紹介するエッセイです。月刊『ムー』本誌には1ページのコラムとして、webサイト『ムーPLUS』では内容を補足した長文コラムとして毎月掲載。
公式サイト『ムーPLUS』「昭和こどもオカルト回顧録

『昭和40年男』2018年2月号
特集:俺たちの笑いのツボ
原稿担当
・シチズン「デジアナ」と70〜80年代コンビネーションウォッチブーム
・タカラ「チョロQ」誕生秘話

『昭和40年男』2017年8月号

特集:俺たちのゲーム体験
原稿担当
・総論 デジタルゲーム前夜
・元祖携帯デーム
『昭和40年男』2017年6月号
特集:俺たちの死生学
原稿担当
・70年代終末ブームが与えた影響
・映画における「死の名シーン」ランキング
『昭和40年男』2017年4月号
特集:俺たちのダークヒーロー
原稿担当
・マカロニウェスタンと昭和40年男
『昭和40年男』2017年2月号
特集:俺たちのSF
原稿担当
・小さな巨人ミクロマン
・巨大ロボットの誕生
『昭和40年男』2016年10月号
特集:俺たちの宝物
原稿担当
・学研トランシーバー
・お宝文具(筆箱、スパイ手帳、ロケット鉛筆、ゴールド芯など)
・トミーMICMAC
・元祖エアガンSS9000
・スーパーカー消しゴム
『昭和40年男』2016年8月号
特集:俺たちの角川映画
原稿担当
・草刈正雄インタビュー
・仙元誠三インタビュー
・角川大作映画の魅力
『昭和40年男』2016年6月号
特集:オカルトブーム再検証
原稿担当
・70年代オカルトブーム10大ふしぎ伝説
・『ノストラダムスの大予言』五島勉インタビュー
『時代の旅人 Books』(ときのたびびと)vol.2
(株式会社大空出版)
初 の編集長体験で反省点だらけだった創刊号の復讐戦として、思いっきり趣味に走ってレトロなモノへの偏愛を「これでもかっ!」と詰め込みました。大特集は昭 和即席めんと昭和プラモ。その他、エポック社・野球盤クロニクルや桃屋の歴代「のり平」CMの誌上大上映会、浅草DEEP散歩、消えてしまったアドバルー ンなどなど、本当に好きなもの・気になるものだけを詰め込んだ「嘘」のないレトロを目指しました。どのページもデザインの限界までギッシリと画像と解説が ひしめいていて少々疲れる仕様になってますが、脳を直撃する懐かしさを提供できていると自負しております。特に30p超えのプラモ特集は少なくとも定期刊 行物の記事としては出版誌上最高峰のデキ!と恥ずかしげもなく自画自賛。インタビューゲストとしてお招きした玉袋筋太郎氏の昭和映画話、『マッドマックス』にまつわる「魂」のエピソードにも感涙必至です!ぜひぜひご一読を!

Amazonの内容紹介
『時代の旅人』(ときのたびびと)創刊号
(株式会社大空出版)
その昔、フリーマガジンとして刊行されていた『時代の旅人』が年2回刊のムックとして創刊されました。雇われ編集長として苦戦しております が、「世の中にはどうにもならないことがある」という状況を学びつつ、まぁ、回を重ねるごとに少しでもなんとかしていきたい……と思っております。
Amazonの内容紹介

フリーペーパー版『時代の旅人』(ときのたびびと)
(株式会社大空出版)
 昭和レトロなトピックに特化したフリーペパー。現在は有償のムックとしてリニューアルされて販売しています。下記のバックナンバーはすでに品切れ。僕が書いていたのは、以下の二つの連載記事でした。

「お子ちゃまレトロ文化アーカイブス」
60〜70年代のキッズカルチャーを特集


「東京屋上物語」
デパートの屋上遊園地や観光タワーの「昔と今」を紹介


創刊号

「お子ちゃまレトロ文化アーカイブス」
魅惑の70年代ケロッグワールド

当時の「ケロッグ」、およびそのオマケをドバッと紹介。
*ココで読めます

「東京屋上物語」
浅草松屋デパートの屋上遊園地

かつてはド派手な遊具で知られた松屋屋上の遊園地の変遷を紹介
*ココで読めます



vol.2

「お子ちゃまレトロ文化アーカイブス」
タカラSF玩具の世界1 小さな巨人ミクロマン

当時、狂ったように収集した「ミクロマン」の世界を俯瞰
*ココで読めます

「東京屋上物語」
シブヤ西武屋上に存在した「おとぎの国」

僕にとって最も思い出深いデパート・シブヤ西部の今はなき屋上遊園地を紹介
*ココで読めます



vol.3

「お子ちゃまレトロ文化アーカイブス」
タカラSF玩具の世界2 変身サイボーグ1号

「ミクロマン」の前身商品ともいえる「変身サイボーグ1号」の世界を貴重な70年代カタログ写真で紹介
*ココで読めます

「東京屋上物語」
松坂屋上野店の屋上遊園地

地域密着型百貨店の代表格、上野松坂屋の長〜い歴史を江戸時代までさかのぼって紹介
*ココで読めます



vol.4

「お子ちゃまレトロ文化アーカイブス」
三菱鉛筆「UNI」のプレミアムグッズ

「ユニ坊主」「野菜えんぴつ」「かみつきばあちゃん消しゴム」などなど、ミョ〜に記憶に残る「UNI」のオマケを特集

「東京屋上物語」
僕らの「超高層ビル」 池袋 サンシャイン60

僕ら世代がリアルタイムで体感した「最初で最後の超高層ビル」の誕生当時をルポ



著書、連載雑誌について、さらに詳しい情報は……

株式会社大空出版「まだある。昭和ナビ」

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初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ



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