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今井科学(イマイ)「ロボダッチ」

 「わんさかごちゃまん」



*関連トピック:コミック版「ロボダッチ」




 僕はかなりド真ん中のガンダム世代です。当然ガンプラはつくりまくったクチなのですが、どちらかというと「周囲に踊らされていた」という感じで、いまひとつ『機動戦士ガンダム』の世界にはハマリきれていなかったように思います。
 気質的に「メカっぽいもの」に無関心というか、オモチャでもマンガのキャラでも「生きものっぽいもの」が好きでした。
 考えてみれば、小さなころから「のりもの」関連のオモチャには冷淡だったし、プラモを選ぶときも戦車とか自動車より、「水木しげるの妖怪シリーズ」(日 東)とか、マルイの「歩く生首」「歩く手首」など、ケッタイなものばっかり手に取っていました。基本的「プラモには向かない子どもだったんだと思います。


 そんな僕が「これこそ僕が求めていたプラモだっ!」と魅了され、シリーズをしつこく集め続けたのがイマイの「ロボダッチ」です。

 「メカっぽい」のに「生きものっぽい」という絶妙のバランス、もちろん小澤さとる氏の素晴らしくキュート&ユ ニークなキャラデザイン(もちろん当時は氏の名前なんて知らなかったけど)、そして「わんさかごちゃまん」というキャッチコピーで表現されていたように、 次から次へと増殖し、「いったい全部で何種類あるの?」かがさっぱりわからないコレクタブル度の高さ……こうした要素に刺激されまくったんです。
 僕にとっては「プラモデル=『ロボダッチ』」だったと言っても過言じゃないくらい。


 「なんなの、それ?」という人に一応説明しておきますと、「ロボダッチ」は1975年から今井科学=イマイ(すでに消滅)というメーカーから発売されたプラモデルのシリーズ。
 「タマゴロー」(主人公的存在)、「ロボZ」(悪役)、「ロボQ」(サブキャラ)など、主役級のキャラたちと、料理が上手な「コックロボ」とか、地下に潜れる「モグラロボ」とか、F1型の「レーサーロボ」とか、無数の「○○ロボ」によって構成されていました。
 特に原作は存在しないオリジナルキャラなのですが、一応はゆるいストーリー設定らしきものがあって、無数の「○○ロボ」は主人公「タマゴロー」のお腹か ら出てくるタマゴ型カプセルから生まれる……ということになっていたようです。つまり、全体的に『がんばれ!!ロボコン』+『怪傑タマゴン』の世界観です ね。 

 300円で4箱のロボダッチがセットになっているお手軽「4点パック」が商品の中心で、このほか、もうちょっと 高めで1体入りの大きなタイプ(動いたり光ったり、いろいろなギミックがつく)、さらにお誕生日やお正月にしか買えない高価な大型基地などまで、いろいろ なキットがありました。
 さらにタカラ(現・タカラトミー)からはダイキャスト製(いわゆる超合金ですね)のオモチャなども登場。もちろん組み立て不要で最初から彩色済み。基本 的に「プラモ下手」な僕には最高に魅力的でした。タカラのシリーズで覚えているのは、全長30cmくらいのプラ製電動「メカタマゴロー」。ちゃんとお腹か らカプセル入りのミニ「ロボダッチ」がコロンと出てくるギミックが楽しかった!


 シ リーズは90年代、そして2000年代以降もいろいろな形で継続していますが(メーカーやコンセプトが変わったり、食玩っぽいミニチュアになったり、復刻 商品が出たり)、僕ら世代が語るところのいわゆる「ロボダッチ」は、80年代の後半くらいになんとなく市場から消えてしまったようです。

 「♪人間だったらトモダチだけど、ロボットだからロボダッチ」っていうCMソングも懐かしいな……。

(2009.11.9)


↓ようやく「欲しいっ!」って思えるタイトルが復刻されましたぁ

robo00
主役キャラの「タマゴロー」、悪役キャラの「ロボZ」
そして無数に増殖するロボたち



当時の製品に添付されていたパンフ。
これをながめなら「う〜む、次はなにを買おうかな」なんて思ったものです。


2005年登場のミニチュア復刻版。食玩タイプの極小プラモでした。
ページトップや下の画像がその中身


上記のミニニチュア復刻版完成品。どうせならちゃんとした形で復刻してほしかったなぁ……
と思いつつ、結局は集めちゃうんですよね


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