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チャールズ・M・シュルツによる世界的に有名な新聞連載マンガ「ピーナッツ」。このタイトルにピンとこない人でも、「あの“スヌーピー”のマンガだよ」と言えば知らない人はいないでしょう。 僕が最初に「ピーナッツ」の本を手にとったのは、たぶん小学校2、3年のころだったと思います。当時、鶴書房 (ツルコミックス)から出版されていたペーパーバックスタイルの『ピーナッツブックス』。訳はもちろん谷川俊太郎。買ったのは第7巻の『ずっこけスヌー ピー』でした。東急東横店の本売り場で買ったような気がするなぁ……。 思えば「スヌーピー」って、「ミッキーマウス」と並んで、僕ら世代が最初に出会う“キャラクター”でした。サンリオがブレイクする直前でしたから、文具や洋服などのキャラクターグッズの多くに「スヌーピー」関連商品が氾濫していましたね。 一読して、ただポカ〜ンとなってしまいました。無理もないです。虚無感と悲哀に満ちた「ピーナッツ」の世界は、 10歳にも満たないガキには「???」なんですよね。「笑えない」どころか、さっぱり意味がわからない。やたらと登場人物が“タメイキ”をつくんですが (溜息はフキダシに“タメイキ”と表記されるんです)、なんでここで“タメイキ”なんだろう? どうして“タメイキ”が“オチ”になるんだろう?と、首を かしげっぱなしでした。 でも、どういうわけか、わからないなりに『ピーナッツ』の世界は魅力的で、繰り返し繰り返し『ずっこけスヌーピー』を読んでいました。 1978年、鶴書房(そのころにはツルコミックスと改称していました)は倒産。『ピーナッツ』は角川書店が引き継ぎましたが、初期作品は現在絶版状態です。 |
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