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1960年代後半に生まれた僕たちは、いわば「スナック第一世代」です。 国産スナックのパイオニアといえば明治製菓の「カール」(1968年)。 この「カール」の対抗馬だったのが、森永製菓の「スピン」(1969年)! で、ここで声を大にして主張したいのが、70年代の一時期、というかほんの一瞬だけ、「スピン いちご味」が市 場に出まわったことがあった!ということなんです。今まで、誰に言っても「そんなのあるわけないよ、記憶違いだよ」といわれ続けているので、この話になる と多少物言いがどうしても乱暴になっちまうんだよ、このマザーファッカーのアスホール野郎っ! 確か祖母といつものスーパーに行ったときのことだったと思います。見たことのないピンク色の箱の「スピン」を発 見して、「うっそー! いちご味?」ってことに心底ビックリしました。甘いスナックという発想は(「キャラメルコーン」はすでに存在していましたが)あま りに奇抜ですし、まして「スピン」といちごフレーバーは水と油のように思えました。 速攻ゲットして試食してみましたが……むむむむむ。やはり絶大な違和感。二つ三つつまんだだけでギブアップでし た。「スピン=しょっぱいもの」という固定観念を植えつけられてる状態では、イチゴの香りと甘さはとても受け入れられなかったのを覚えています。そういう 人が多かったようで、すぐに市場から消えてしまいました。 が、後にグリコから「パピー」というハート型のいちご味スナックが発売され(オマケが有名ですけど)、これは僕
の大のお気に入りになりました。最初から「いちご味スナック」として登場しているので、違和感の持ちようもなく、「そういうもの」としてすんなり受け入れ
られたわけです。 以前、森永製菓に取材したとき、「スピン いちご味」についてお聞きしたことがあったんですけど、詳細は不明でした。どうも地域限定のテスト販売だった可能性が高いようです。 |
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