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森永製菓「スピン」 その2

「幻の“いちご味のスピン”について」

*関連トピック:スピン その1




 確かに「一度だけ食べた」という記憶があるにもかかわらず、中学生のときから現在まで、誰に話しても「そんなもん、あるわけねーじゃねーか!」とか「夢だよ、夢!」とか言われつづけてきた「いちご味のスピン」については、当サイトのココや、自分の本のあちこちにも書いてきました。

  森永製菓に取材したときについでに聞いてみたりもしたんですけど、広報の方から「記録には残ってないと思う。ローカルなテスト販売で、そういう商品を試験 的に販売したことはあるかも……」みたいなボンヤリとしたお答えをいただいたりして、なんだか自分でも自分の記憶に自信がなくなり、「じゃあ、もう夢でい いや! こんな記憶は捨ててしまえっ!」とヤケを起こしたこともありました。

 しかし! 昨年、某出版社の某編集者が、古雑誌の掘り起こし作業の最中に、偶然にも私の記憶を完全に裏付けるとんでもない資料を発見して送ってくださいました。それが右の広告写真!

  撮影禁止の某図書館の資料をこっそり携帯で「盗撮」したものなので多少不鮮明なのですが、僕にとっては世界に向けて「ざまあみろっ! やっぱり存在した じゃないかっ!」と叫びたくなるような決定的な証拠写真です。こういう優秀な編集者と本づくりの仕事をご一緒できる自分の境遇に、あらためて感謝したくな ります。

 媒体はおそらく『りぼん』。「おそらく」というのは、媒体を特定できる表紙などの撮影をし忘れていたらしい……。でも、「たぶん『りぼん』だったと思う」と証言しています。当然、奥付部分なども撮影されていないので、いつごろの広告かも特定できません……。
 でも、いいんです! いくら優秀な編集者でも、こういうユルさは必要で、それがない「優秀な編集者」は単に「かわいげがない」ということになって付き合いにくいんです。

 他にも同じ雑誌から数ページ撮影しているんですけど、そのなかにタカラの「リカちゃんシリーズに『リエお姉さん』登場! 近日発売!」という広告が含まれているところから見ると、これはほぼ間違いなく1972年の広告だと思います。
 このころ、僕は幼稚園の年長組。ちょうど祖父母がウチの家族と同居してた時期なので、「おばあちゃんと一緒にお買い物に行ったときに発見した」という僕の記憶とも合致します。

  この30年間、僕が「いちご味のスピン」の話をする度に「はぁ?」という半笑いの顔になったアイツやコイツやオマエ、よぉ〜く覚えておきなさい。「いちご 味のスピン」、正式名称「スイートスピン いちごのふうみ」は1972年に発売され、たぶん大不評で大コケして、その後すぐに消えたのだ。いずれにしても 確かに存在したのだっ! なにが「夢だよ、夢!」だ、ボケ〜ッ!



(2015.2.1)


これが「いちご味のスピン」だっ!
記憶ではピンク色の箱……だったんですが、実際は緑でした(笑)。そうそう、当時の「スピン」って「アメリカン・スナック」ってところをやたらと強調してましたよね。



発売時はこういうキャンペーンをやっていたようです。カードが入っていた……という記憶はまったくないなぁ。広告媒体も『りぼん』だし、キャンペーンでもらえるマンガすべて少女マンガ。最初から女の子ねらいの商品だったんですね。



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