 |
 |
| 初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ | ||
|
|
 |
| これについても自著で何度か書いているんですが、確か『まだある。夏休み
編』のときだったかな、思い出のジュースという章でどうしても「ユーフー」を扱いたくて、メーカーの大洋漁業、現在のマルハニチロに取材をして資料などを
請求したことがありました。が、やはり社内にはすでにわかる人がいない、資料もほとんど残ってないということで、得られたのはFAXで送られてきた数行の
文字情報だけ。それもすでに知っている内容のみで、非常に落胆したことがあります。 まぁ、無理もない。発売は1975年。40年も前の商品ですし、大ヒット商品であればともかく、単なる地域限定のローカルな飲料。マルハ的にはまったく主力商品ではなかったわけで…… しかしなぁ、一応はテレビCMを打っていたし（これがあんまり記憶にないんだけど、関東ローカルだったのかなぁ？）、僕的には幼少期にもっとも大量に消費 した定番飲料。記憶のなかでかなり美化されてはいるかもしれないけど、僕にとっては「一番おいしいドリンク！」だったんだよな。 それに、これも おそらくだけど、「販売機でモノを買う」っていう行為を覚えたのも「ユーフー」購入を通じてだったと思う。なぜかこれ、お店で売っているところは見たこと なくて、買うのはいつも自販機。思いっきり背伸びをして投入口にチャリンと100円玉を入れて、「ユーフー」のボタンを押してたのを覚える。 いろんな意味で思い出深いドリンクなんだけど、これほど記憶に鮮明に刻まれているのは、なんといってもあのサイケでポップで70年代感が全開の缶のデザイ ンのせい。飲料の缶とは思えない実験的なデザインが子どものころは「オシャレでカッコいい！」感じがして、いまだに飲料缶のデザインのなかではこれが一番 好き。 話が前後するけど、この「ユーフー」なる商品は如何なるモノか？ ひとことで言えば冷たいチョコレートドリンクです。まぁ、アイスココア。 僕の記憶ではチョコレートドリンクにありがちなトロッとした飲み口ではなくて、あくまでサラッとしてる。薄めたチョコドリンクみたいな感じ……というとま ずそうだけど、ちゃんとコクと深みがあって、かなり甘いんだけど、しつこさはない。真夏にゴクゴク飲むと心底「あーっ、おいしい！」と思える飲み物でし た。確か、飲んだあとにわずかに舌にザラッとした粉っぽい感触が残った記憶がある。 ○○みたいっていう例えが思いつかないのは、やっぱり類似商品がほとんどないからなのかな……。 もともとはアメリカのyoohoo社の商品で、ここと提携した大洋漁業が原液を輸入、富士コカ・コーラボトリングを通じて販売していました。富士コカ・ コーラボトリングという会社は今は存在しませんが、当時、本社は横浜にあって、神奈川、静岡、山梨の三県でコカ・コーラ系の商品を販売していたらしい。 「ユーフー」はこのルートにのって売られていたわけで、wkikiなどには「主に神奈川県で販売されていた」とありますが、いやいや、東京でも一応はちゃ んと普及していた。都内の観光地でもよく「ユーフー」の入った自販機を見かけたもん。 ちなみに、本国の本家「yoohoo」は今も現役商品です。 http://www.yoo-hoo.com/ 楽天やamazonでは扱われてないみたいだけど、輸入食品を売るお店をまわれば国内でも入手できるかも知れませんね。僕も探してみようかな。 ……でも、魅力の50％は当時のあの日本オリジナル缶のデザインなんだよなぁ……。 （2016.5.31） |  この空き缶写真しか手元にないんですよね（笑）。 隣で見切れている「ミスターピブ」とかも気になるところですが、 これについてはまた別の機会に……  こちら、本国で現役の「yoohoo」。 味が当時のままであるなら、ぜひ飲んでみたい！ |
| 初見健一のweb site * 東京レトロスペクティブ | ||
|
