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ロッテ「クイック クエンチ」
「ホントだ! 喉がうるおってきた! …… という気がした

*関連トピック:復刻版「コーヒーガム」 復刻版「イヴ」




 これ、今回のロッテ復刻商品(復刻企画の詳細については「コーヒーガム」の項 を参照)のなかでは、個人的にもっともツボです。ずっと再販してくれないかなぁ、と思ってました。

 「クイッククエンチ」。「素早くうるおす」の名のとおり、 スポーツ中などの喉の渇きをうるおすためのガム!とい うコンセプトで発売された商品なんです。発売は1980年。当時、このガムとドリンク(「ゲータレード」みたいな感じだったと思う)、そしてアイスの3種 が発売されて、「クイッククエンチ」シリーズを構成してました。登場時のCMでは、当時、大流行中だったテニスのシチュエーションが採用されていて、確か 神和住純(だったっけ? ボルグが出てた?)だかが、プレイ中にガムをかんで「喉がうるおう!」的なことを言っていたと思います。単なるガムというより、 スポーツ専用のアイテムって感じで、僕らは「おぉ!」と注目したわけです。

 で、当時、僕は中学1年生。部活で「軟式!」テニスをはじ めたばっかりで、練習前になると、みんなで「クイック クエンチ」を噛んだものです。炎天下の練習中に噛んで、その効能を実感したいわけ。で、「たりィーなぁー」なんて言いながら球拾いをしつつ(1年なので球 拾いが練習の基本)、「あ、でも、いつもより喉が渇かないかも。効いてる、効いてる!」なんて言い合ってました。「効いてる!」ってなんだよ?って感じで すけども。
 一度、いつもの通り「クイッククエンチ」を噛みながら仲間とコートで打ち合ってたら、顧問の教師が僕の顔をじっと眺め、「おっ、お前、ガムを噛んでる な? ガムを噛みながらコートに入るとはなんだっ!」と怒りだしたのを覚えています。が、僕もなぜかムキになって、「これはただのガムじゃありません。喉 の渇きを癒すためのガムで、れっきとしたスポーツ用品です!」なんて言い返しちゃったんですよね。つくづく嫌なガキだったと思います。

 ところで、今になって思えば、っていうか、当時もうすうす 考えてたんですが、ガムで喉の渇きが癒されるなんてこ と、本当にあるんですかね? 「効いてる、効いてる!」って、あれ、どう考えても気のせいだと思うんですよね。ってことを冷静に再確認してみたいってのも あって、「クイッククエンチ」の再発売を待ち望んでいたわけです。
 というわけで、30年ぶりに、オトナとして、CMのキャッチにも惑わされない状態で、冷静に検証してみたいと思います。では、実食……
 ん? 外パケを破ったとたん、なんかイイ香り……。こんなフルーティーな香りだったっけ? で、味の方は……あ、懐かしい。そう、この酸っぱさ! これ で唾液が出てきて、一応うるおった気になるだけじゃないか?ってのは、当時も考えたのを覚えている。うん、う〜ん、もぐもぐもぐ……

 というわけで、「クイッククエンチ」の効能は、30年経っ てもよくわかりません。なんとなく「うるおってき た!」ような気はします……ってのは13歳のころの感想とおんなじです(笑)。ただ、とにかくロッテ、エライ! 「イブ」にしろ、「クイッククエンチ」に しろ、印象に残る徒花的商品を復刻ラインナップに選んでくれる感性、ステキだと思います。次は、ぜひぜひ「ゲコガエル」(この商品、ロッテの広報さんも知 らないと言ってました。でも傑作のオマケ菓子だったんです)の復刻をお願いします!
(2011.3.6)


ほ ぼ昔どおりのパッケージ。野球とテニスのシルエットが懐かしい!


当 時は「喉の渇きを癒します」的な解説が書いてあったような気がします。今はいろいろと表示の基準がうるさいからな……


中 身。爽やかな香り……。渇きがどうこうはともかく、ガムとしておいしいのは確かです




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